2013年1月24日木曜日

【公演告知】2/2名古屋&2/3浜松 「アルジュナの瞑想」




3年前、名古屋で350名くらい入れるホールで、ダランの梅田さんを招いてワヤンの公演をやった。
その時はホールの広さと座席の関係でお客さんの移動が困難で、クリル(白い幕)の裏側にいる人形遣いの動きや、演奏者がどんな楽器でどんなふうに演奏しているか、観て頂けなかった方が大勢いたのではないかと思う。

次に名古屋でできる機会があったら、どうしても、キャパもそんな広くなくていいから、フラットで、お客さんがクリルの表~裏と自由に行きし来して観ることができる雰囲気で、のワヤンをやりたいな、とずーっと思っていた。

でも、、ワヤンをやりたい!と思ってもそうそう出来るもんじゃない。

なぜならちゃんとした古典のバリ島のワヤンを演じることができるダラン(人形遣い)は、今のところ日本に一人しかいないからだ。

本当は、できることなら何度も何度もこのクリルの裏で、ダランの背後で、ワヤンの伴奏をしていたい。。。でもそれがなかなか難しいんだよーーーー。

そしてついに名古屋でもう一度ワヤンができる機会が!!!

お客さんとしてワヤンを観に来る方々にも貴重な公演だけど、実は私たちにとっても、実はとても貴重な時間だったりする。

ダランの動きや調子に合わせて強弱をつけたり、アドリブにのっかってハラハラしながら、人形の動きを凝視しながら演奏する。
クンダン(太鼓)がダランの合図をくみ取り、即座にプナブ(ガムラン隊)に合図を送る。それはほんの一瞬。超高速の音の流れの中ではきっと0.1秒ほどの出来事。
そしてそれを合図にしてみんなどうやって演奏しているのか。というのはここだけで書ききれないくらい複雑です。もう感覚で覚えるしかないことがたくさん詰まってます。

グンデルのパートは向かい合って弾くのだけれどダランの方を向こうとすると首をきっかり90度、横に向けなければならない。(賞味2時間この向きなので実はとてもキツいけど、「首、いたーい!」とか言ってる余裕もない。このキツさだって、なんだって嬉しいのだ。)

今回使うガムラン、グンデルワヤン・バテルの編成。(スカワティ村仕込み!)
一気に上りつめる、燃え上がる炎のような雰囲気の、音の渦。
グンデルだけのシンプルな編成の時みたいに、甘くてキラキラの音の粒があって、、ってうっとりしていられない。
あの渦の中に入ったら誰だって、ぐわっと音の渦に巻かれてもっていかれちゃうんだよ。きっとね。

団体行動は苦手だし、実は大勢の中にいるのがさほど得意ではないのですが、一人ではできないガムラン音楽をこんなに続けていられるのは、それだけこの感じが大好きだからなんだと思う。

バテル編成での、ワヤンの公演終了後はいつも、パングル(ガムランを弾くバチ)を持つ手から血が出ていることもしばしば。。ワヤン中の戦いの場面で興奮しすぎるんだろうな。。。


カヨナン(生命の樹)


2010年に名古屋で演った「クンバカルナの戦死※1」もとても好きだけど、今回の「アルジュナの瞑想※2」もなかなか渋くて好き。(というか梅田さんがすごいんですよ。。。)
※1インド起源のラマヤナ物語の一説。
※2同じくインド起源のマハバラタ物語の一説。

といっても私がしっかり知っているのはこの二つだけ(笑)。しかも梅田さんのワヤンでしか話の意味が分からないの。
バリでワヤンは散々観たし、何度も伴奏に参加させてもらったこともあるけど、もうこれは昔から言ってることだけど、はっきり言って、「バリでワヤン観ても、意味、わかんないの。」
留学したけど、帰国後に沖縄で観た梅田さんのワヤンで初めて話の意味が分かったんだよねーーーーー。。
細かい登場人物とかあらすじとかはもちろんだけど、一緒になって笑えるのがいい!!
現地で観たとしても、ダランがどれだけ面白いことを言って、周りの観客がどれだけ「ドッ!」と笑おうと、まず意味が分からないのです。
その「ドッ!」に完全に置いてきぼりにされるのだ。
インドネシア語がどれだけ理解出来ても、ワヤンで使用される言語はバリ語、古代ジャワ語と、とても難しいのです。
その感じが完全にわかる内容になってます。
というか、話の流れ以外、どんな展開になるかは伴奏者も把握してませんので、当日がとても楽しみ!!


恐る恐る森に入るムルダー


前置きがとても長くなってしまったけど、、、名古屋では二回目となる古典のバリ島影絵人形芝居の公演です。
次回はいつになるかわからないので、観ておいた方がいいですよ。



ちなみに2月2日名古屋公演の次の日、2月3日は浜松です。
あたしも大好きな浜松でワヤンができるなんてとても嬉しい!!


浜松は、楽器博物館が閉館した後、ということで時間の関係で1時間のダイジェスト版になってしまい、幕開けのガムラン三昧の部分が大幅にカットされてしまうけど、、、、浜松は値段もお手ごろだし、気軽に来れると思います。

でもガッツリ観たい人は名古屋の方が、おすすめかもです!

いろんな人が観に来てくれるといいなぁ。



そして是非、影絵の表側だけじゃなくて裏側も!
自由に行き来して笑いながら、ゴロゴロしながら、かしこまらずに気楽に観て下さいね。
ほんとは座席なんていらない。(と思ってますが一応席つくってあります。)
席に、おとなしく座っている必要はありません。
バリの、現地のスタイルで自由に観てくださいね。














「バリ島の影絵人形芝居 ワヤン・クリッ」@名古屋・浜松
演目・・・アルジュナの瞑想
出演・・・梅田英春(人形遣い・語り)/サンディア・ムルティ(ガムラン伴奏)



●名古屋公演
とき : 2013年2月2日(土) 開場13:00/開演13:30
ところ : 5/RHall&Gallery(ファイブアールホールアンドギャラリー)
http://www.five-r.jp/
前売3,000円/当日3,500円(全席自由)

〔名古屋公演のお申込・お問合せ〕
Eメール : etcoucou@gmail.com
電話 : 090-4447-1835  (青山)
*Eメールにてお申込の際は、件名に「ワヤン予約」とご記入のうえ、本文にお名前、ご連絡先、ご希望人数を記載してお送りください。



●浜松公演
とき : 2013年2月3日(日) 開演18:30
ところ : 浜松市楽器博物館(天空ホール)
http://www.gakkihaku.jp/
入場料1,000円(全席自由)
*浜松公演は1時間のダイジェスト版でお送りします。
*影絵芝居観賞のみの場合は、楽器博物館の入館料は不要です。

〔浜松公演のお申込・お問合せ〕
浜松市楽器博物館 電話: 053-451-1128
または、アクトシティチケットセンターで販売。
*浜松市文化振興財団オンラインショップからも購入できます→http://www.hcf.or.jp/shop/ticket.html





<あらすじのあらすじ>

 パンダワ一族の武将アルジュナは、宿敵コラワ一族との
戦争に備え、瞑想によって超能力兵器を授かるよう兄に命じられます。
 一方それを知った魔王ニワタカワチャはそうはさせじと手下を差し向け
アルジュナを殺そうとします。
 善悪それぞれの道化が漫才?や説教?を交えつつ物語が展開します。
一筋縄ではいかない「マハバラタ物語」の一エピソード、どうぞお楽しみください!



○プロフィール

梅田 英春(人形遣い・語り)

1984年からタバナン県トゥンジュク村で本格的なワヤンの勉強をはじめ、1986年から1988年までインドネシア芸術大学ワヤン学科に留学。大学、村落の両方でワヤンを学ぶ。帰国後、バリで用いられる言葉と日本語を織り交ぜながら上演する方法を模索し、現在まで日本各地でワヤンの上演を行っている。著書には、自身の留学時代を描いた『バリ島ワヤン夢うつつ-影絵人形芝居修行記』(木犀社)などがある。またバリ芸能の研究者でもあり、現在は、静岡文化芸術大学文化政策学部教授として後進の指導に当たっている。


サンディア・ムルティ(ガムラン演奏) http://blogs.yahoo.co.jp/gamelan_batel

グループ名は「精鋭達が一同にあつまり、ひとつのことを成し遂げる」の意。スアラスクマ主宰松井とバドマ主宰増野の呼びかけにより2006年に結成。関東・東海・関西のメンバーで構成。バリへの長期留学を経て各々演奏・指導を行うエキスパートを中心として集まり、日本人ならではのバリ芸能を追求するグループを目指す。2011年のニ・ニョマン・チャンドとイ・クトゥット・ブダ・アストラ招聘公演が好評を博す。2010年の名古屋公演「クンバカルナの戦死」に続く、ダラン・梅田英春との二度目の共演に乞うご期待!









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